冒頭の三浦理恵子の言葉には、一文字たりとも無駄がない。
よけいな脱線もない。
充分な間がある。
正しい前置きがある。
客席の奥の奥まで声と想いを届かせる姿勢と精神がある。
「みんなー、元気ぃー?」という彼女お約束のセリフで、安心感と帰属感を与えてもいる。
ああ、このひとは俺たち私たちにわかることをベースとして話をしているのだと。
このひととはベースを共有しているのだと。
そう聞き手に感じさせる技能と工夫がある。
一見、まるで幼稚園児に向かって話しているようでもある。
だが、人々をぐいぐい引っ張ろうとおもったら、経営者であれ、教育者であれ、講演者であれ、結局はこういう話し方に行き着くものだとおもう。
ひとの前に立つと、あるいはひとの上に立つと、僕らはえてして、つい、頭の良さをひけらかしたくなってしまうものだ。
話を脱線させたり、そもそも論から入ったり、ちなみにが長くなったりする。
それは最も効果の低い話し方だとココロに刻むべきである。
人に聴かれようとおもったら、僕らはすべからく三浦理恵子たるべきなのだ。
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