今回で5周年を迎えます。
会場はLý Thường Kiệt通りの11区側にある有名な屋内競技場Nhà thi đấu Phú Thọです。
入場料は9万ドン(約4.5ドル)。
雨でしたがなかなかの盛況です。
競馬場の敷地の一角にあるのですが、ひょっとして、いずれ競馬場全体を借りる日も来るかもしれませんね。
椅子はありません。
物販や宣伝のブースも多く出ています。
印象としては、日本・中国・タイなどからの輸入本や輸入Tシャツを並べているブースにはまったく人が寄り付いていませんでした。
本やTシャツはデータさえあれば読めたり作れたりしてしまうので、何も高い海外製を買う必要はないということだとおもいます。プラ板やマグカップにキャラを印刷した手作りグッズに人が群がっていました。
まさに『フリー』の世界そのものです。
ガンプラブースが明かりこうこうとつけて営業していました。
テナントの電気代はどのような取り決めになっているのか興味あります。
ガンプラの価格帯は20ドル~100ドル程度。
ワンピースの船のプラモデルも何種類かあり、100ドル程度でした。
フィギュアのブースも多くありますが、現品販売もしくは予約輸入代行の形をとっています。
日本のヲタ技術の粋を集めたフィギュアについては、まだベトナム国内生産とはいかないようです。
輸入代行は、予約してから2週間ほどで届くと書いてあります。
だったら自分で輸入すればいいじゃんと思いましたが、詳しい方によれば、輸入(とくにベトナムの税関との折衝など)に関するノウハウがあるのだということでした。
サイゴンの街角で普通に売ってそうなぬいぐるみを売ってるブースや、UFOキャッチャー屋には、まったく人がよりついていませんでした。
オバチャンがひまそーにしてました。
時代から取り残されてしまいましたねという感じです。
輸入本はまったく振るわないのですが、ベトナム国内産の、同人誌はいくつか売られていました。
中身はもちろん全部ベトナム語です。
もう完全に商業誌だよねみたいな本もあります。
この『SOUL』5号は34000ドン(約6500リエル)。
全国オタクスポットにて販売中とのことです。
豪華88ページオールカラーです。
果たして元は取れているのか、それとも投資段階なのか、謎です。
広告はいっさい入ってません。
ざっと見るかぎり、記事広告やステマみたいな内容もなさそうです。
今売りは9号みたいです。
力の入ったコスプレ。中に人が入っています。
1ヶ所だけ、妙にひとのいない空間があったので、休みに行ったら、この方がこのようにすわっていました。
カメラがたくさん向いていました。
ここだけ空間があけてある理由がわかりました。
すいませんすいません。
レイヤーさんおおぜいいました。
ネコミミつけただけの簡単な子もいれば、完全に創りこんで世界入り込んだリキ入った方々もいました。
ステージでも、集まったレイヤーさんたちを上げて伝言ゲームをやらせたり、ショーをやらせたりしていました。
外国から呼んだゲストコスプレイヤーさんたちもステージで活躍していました。
そして、一眼レフ持った方々もけっこういました。
いまホーチミン市は、空前のカメラブームだそうです。
正面には、ホーチミン主席の写真が高く掲げられています。
ホーチミンさんの教えに従って学習&仕事しよう、みたいな標語が書かれています。
少なくともここにいる皆さんはみんな、自分の好きなものをとことん学び、創り、独立・自由・幸福をエンジョイしているようにおもいます。
ホーチミン市内のメイドカフェ「べと☆もえ」さんブース横で、この会場の光量だとTTLを使うかストロボの測光を使うかみたいな話をしながら、サッポロビール缶をいただき乾杯をしました。
べとはもえているか?
写ってるメイドさんは、30000ドンのソフトクリーム(バニラ/チョコ/ミックス)を宣伝しています。
台の上に立っていますが、実際は非常に背が低く、ヨッパライオヤジ(私)がソフトクリームお買い上げしたときの笑顔が可愛い子でした。
笑顔を見たい方は現場現物現認でお願いいたします。
会場が暗いので、外部ストロボ4本立てて撮影しているリキ入った方もいました。
技術的には完全に理にかなっています。
ただ、会場のこの一角を完全に私物化していますが、かたいことを言うひとはベトナムにはいないようです。
なお、なぜどこの国においてもヲタはこのファッションになってしまうのかは、永遠の謎です。
コミケ規則的なことでいえば、レイヤーさんたちもコスプレのまま来て帰ってました。
その点、電車・バスが中心の東京と違ってバイクやタクシーの移動は逆に便利かもしれません。
長モノも使いまくりです。
東京のコミケだと水分補給や栄養補給などのサバイバル面が非常に重要となりますが、ここではいろんな飲み物や食い物を売るブースが出ており、問題なしです。
東京のコミケには逆になぜないのでしょうか。法律の規制でしょうか。
ただし東京のコミケと大きく異なる点として、今回から全ブースが出展有料となったとのことです。
企業なのか同人なのかわからない、企業になりかけの同人みたいな団体が多数出展していましたので、線引きが難しい以上、やむをえない判断かもしれません。
逆に、東京のコミケでは企業と同人の線引きをどのようにしているのか興味がわきました。
同人の分裂は激しいようです。オタクカフェのスタッフがオーナーと喧嘩して新たなオタクカフェを開業したりもしているそうです。
ヲタは3人寄れば7つの派閥ができますが、プラスして南ベトナム人の気質のせいもありそうです。
ただ、南ベトナム人の気質ということについていえば、私は正直2000年に初めて南ベトナム人たちに接して以来ずっと、なにかといえば人を押しのけるひとたち、順番ぬかしするチャンスばかりを狙っているひとたちという悪い印象を持ってきました。
「押しのける」は物理的に、文字どおりです。
「順番ぬかし」は、スーパーのレジや、人生においてです。
しかしここマンガフェスティバルの会場では、これだけ多くのひとでにぎわっていながら、そのようなひとたちにはまったく出会いませんでした。
そのような嫌な思いを一度もしませんでした。
これは、南ベトナム人全体の気質が、若い世代ではより文化的になってきているのか?
それともヲタだけなのか?
わかりません。
サイゴン人のライフスタイルは夜に大きくかたよっており、家族でコンサート見に行くとか、恋人とバイクとか、夜になってから市民が街へ繰り出しはじめます。
このマンガフェスティバルについても例外ではなく、夜になってもまったく終わる気配を見せません。
よさこい演舞や、同人さん制作のボーカロイドのビデオコンサートで盛り上がったあとは、また何かのショーを始める気配を見せていました。
私はオッサンなので体力の限界を迎え、撤収しました。
熱いですねベトナム。