2014年8月7日木曜日

IT技術者の生き残る道はIT業者でなくユーザー事業部内にしかない

IT部門が没落すればIT業界の大概の問題は片付く
という記事を読みました。


  1. 事業部門がバリバリITを活用して新事業展開や業績浮揚を図るようになるだろう。
  2. それについていけない頭の堅いIT部門は没落し、結果として、IT部門を頂点とするIT業界ピラミッド構造は崩壊するだろう。
  3. そのピラミッド構造に伴っていたIT業界の諸問題も解決するだろう。


という三段論法なのですが、1と2は同意です。
すでにそのような動きを、一般の報道に現れるさまざまなニュースでも、ひしひしと見て取ることができます。

しかしこの木村氏も強く警鐘を鳴らしているように、実は2から3へはオートマティックな帰結ではない。
IT部門から仕事が出なくなったからといって、当然、事業部門が自動的に既存IT業者へ仕事を出してくれるようになるわけではないのだ。

それどころか、木村氏が前提にしているのとは異なり、私は、事業部門はそもそもIT業界へ仕事を外注しないケースが増えていくのではないかとみている。
理由は、木村氏の文章でも指摘されているように、事業部門が進めるIT案件は本質的にアジャイル性・小規模性を有するからである。

事業部門のITプロジェクトの試行錯誤とは、事業の試行錯誤そのものである。
なぜなら事業部門のITとは事業そのものだからだ。
アジャイルなやりとりを外部と行うほど効率の悪いことはないだろう。
外部業者が提案できる程度のイノベーションなら、そのユーザー企業のどこのライバル企業も当然に取り入れていくと思われ、新たなコアコンピタンスになどとてもなりえないのではないかとおもわれる。(そもそもそれで満足してたら事業部門の存在意義がない。)

よって問題は、IT業者はいかにこの先生き残るか?
ではない。
IT業者は現在のような形では生き残れないこと前提で、IT技術者がいかに生き残るか?
が、いま現在IT技術者として生計を立てているひとにとっての重大なテーマだろうとおもう。

これからITやプログラミングを学ぶひとについては、IT技術者などにならず、プログラミングを専業で行うなどという酔狂な道へ進まず、事業側へ入り込み、あるいは事業を立ち上げ、みずからプログラミングを行うのがもっともストレートフォワードな道であることは、火を見るより明らかな論理的帰結であることはいうまでもない。

0 件のコメント:

コメントを投稿