2014年10月3日金曜日

アドミラリティかアドミラルティか……毎日新聞の「気概」

民主化運動で揺れる香港について、日本でも多くの報道がなされており、low information dietを心がける僕は、もちろんそのごく一部にしか目を通していないが、昨日と今日で2回、毎日新聞で、「アドミラリティ」という表記に出会った。

香港の地名だが、「アドミラルティ」という表記で覚えていたので、違和感があった。

たとえばこの記事

調べたら、英字表記はAdmiraltyなので、やはり「アドミラルティ」が正しいのではないかとおもうのだが、なにか根拠があって「リ」と表記しているのであろうか?

ロシア語のカナ表記であれば、たとえ英字表記にiやjがなくとも、原音主義でイ段で表記することはある。エルツィンでなくエリツィンと表記するのはその一例である。

クメール語においても、末子音nhを英語圏の人の多くはnと同じように発音するが、僕は原音主義でニと書くようにしている。たとえばTea Banh防衛相をティア=バニ、Daun Penh区をドーン=ペニ区と書く。

ベトナム語においては末子音nhは、北部方言のわたり音を強調し、インとカナ表記され、単なるnと区別されるが、これも英語圏のひとは単にnと発音するひとが多いようだ。

英語圏の知識におんぶにだっこな知的怠惰を、横のものを縦に直す、と言う。それでは、真にその国をわかったとはいえない。そこを超えなければならない。あるいは英語圏に頼らないようにしなければならない。原音主義を貫くことは、その姿勢のひとつとして、とても大切だとおもう。

「アドミラリティ」表記にも、ひょっとしたらそうした現地記者の気概が現れているのかもしれない。

あるいは単に間違いかもしれないが。

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