2014年9月1日月曜日

マイクロマネージすればカネは社外にたまる マクロマネージすればカネは社内にたまる

官の規定に接するたびにおもうが、どんなに相見積もりを取ろうが、チェック体制を厳しくしようが、証憑原本の提出を義務付けようが、抜け道は必ずあり、人々はそこを抜けていくということは、カンボジアしかり、日本しかり、カンボジアに赴任してきた日本人しかり、僕もさんざん目にしてきたし、あちこちで証明されていることであります。

結果としていえることは、カネの無駄遣いをなくそうとマイクロマネージメントを励行したばかりに、かえってカネが外へ流出していく現象であります。

部門にドーンとカネを与えて、目標と制約条件を与えて、好きなようにやりなさい、ただし結果はしっかり見るよ、というマクロマネージメントのほうが、がんばって値切りもするし、書類ワークやら証憑やらの非本質的なことに事業のマンパワーのかなりのパーセンテージが割かれるという巨大な無駄を省くこともできるとおもわれます。

それがたとえばアメーバ経営の考え方でもあるとおもいます。

当社ではまだ、事業の複雑さも顧客の数も全然たいしたことがないので、アメーバ経営のおままごとみたいな制度しか導入していませんが、ゆくゆくは、本当のアメーバ経営へと移行していきたい考えです。

これにより、値引きで節約できたカネはもちろん、リーダーシップといった価値も、社内にたまっていくことでしょう。

現在、当社では、遅刻については、何分遅刻したかに比例して給与から控除しています。
これは、残業について、何分残業したかに比例して割増賃金を払っていることと呼応しています。

しかし、本来こういう、時間的なマネージメントについても、このようなマイクロマネージメントは、社員にとっても、経営側にとっても、生産性に前向きに結びつかず、無駄です。
社員を学生扱いしていることでもあります。

が、今どき学生ですら、自分でインターネットで勉強しようという世の中へ移行しようとしている現代です。
社員についても、自主責任制をもっと、今後強化していきたいと考えております。そうすれば、出勤時刻や勤務形態についても、最も生産性のあがる方法でやればよい、ということになっていくでしょう。

最近米国の生産性に関するサイトを見ていると、働く時間と場所をマイクロマネージすることは、優秀な社員を会社から遠ざけるための最もベストな方法である、的な記事が多数出てきます。
そのようなトレンドは、世界にも広がりつつあるとおもいますし、今後もっと広がってくるとおもいますので、早急にアダプトする必要があると感じます。

しかし現状、そのような体制やしくみが会社としてできていないうちは、20世紀型の工場やオフィスのように、タイムカードで社員を管理する方式にならざるをえませんし、それをやる以上は、もれなく徹底してやらなければ、かえって不公平を招いて、社員の納得感を損なうのはもちろんのことです。

以前、僕が技能を教えるために赴任した会社で目にしたのは、朝誰よりはやく出社してきた社員が、全員のタイムカードをガッチャンガッチャン押している驚くべき光景でした。

冒頭でも書いたように、マイクロマネージメントではえてしてこういうことになりがちです。
社員は抜け道を探すことにのみ汲々とします。
生産性をあげるという本質はおろそかにされます。
公務員のような人間になってしまいます。

が、マイクロマネージメントをやる以上、そういうことを見逃していては、納得感は得られませんので、カビのはえた旧式の制度であるとはいえ、その制度を次善の策として採用しているうちは、それが正しく文言どおりに励行されるよう、正直者が馬鹿をみないよう、どこまでも性悪説で臨む必要があります。

いい大学を出ただけのおぼっちゃまにはできないことです。

0 件のコメント:

コメントを投稿