2014年9月5日金曜日

クメール語の修飾語順規則と、何事にも例外はあるという話と、例外とは高次規則の徴証であるという話

クメール語を勉強するひとのための教科書には、複数の連体修飾語が付くときには、人称所有詞が最末尾に来ると書かれている。

だが実際にはクメール人の発話において僕らはときに
ムペア クニョム スレイ (女の俺の友人)
というよう「規則破り」を耳にする。

これは、先生が示した規則に対する例外なのだろうか。

あるいはこの「例外」は、最も強調したい性質を最も最後に言う、という、より一般化された理論によって包括できるものであり、冒頭の規則はその特殊理論にすぎないと言えるのだろうか。

もうひとつ、日本語においても本多勝一が指摘しており、多くの言語においておそらく通用する構文技法として
「親和性の高い語どうしについては、誤解を招く危険があるときには、あえてそれらを互いに離す」というものがある。

上の例でいえば
ムペア スレイ クニョム (俺のガールフレンド)
は恋人のような意味に誤解されるおそれがある。だからあえて語順を入れ替えるのだ、ということだ。

いずれにせよ自動翻訳の開発は、単純に人間が考えるアルゴリズムでは難しそうだ。
アインシュタインの言葉ではないが、人間が考えだした言語という問題を真に読み解くには、おなじ頭脳では不可能だということかもしれない。

それがいま急速に進歩と実装が進みつつある機械学習というもので解決されることを大いに期待している。
上記のような悩みが、単に衒学的なディレッタントのみの物になる日の遠からんことを。

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